生と死の共育ワークショップ vol.10「<病い>と共に生きるとは?」

 仏教では人生の苦しみを「生・老・病・死」の4つととらえていると聞いたことがあります。生まれ、生きることが苦しみ。老いて体が不自由になる苦しみ。病にたおれ、健康な体から離れる苦しみ。そして、死ぬ苦しみ。
そう考えると、人生は苦しみの連続のようにも捉えられます。なかでも、「病」は、ちょっとした風邪から、不治の病まで、幅広く、私たちの人生に苦しみをもたらすイベントともいえます。

 しかし、病は苦しみのみを持ってくるのでしょうか?私たちのささやかな人生経験から見ても、病は必ずしも悪いものばかり連れてくるわけではないように思います。体調を崩す経験から、今の自分が自分のことをケアできていないことを気づかされたり、家族や身近な友人・知人が大きな病気をしたからこそ、そういう境遇に置かれた人々への気づかいが、より深いものになったりもするでしょう。また、完治することが難しい病に罹ったとき、その病とどう付き合っていくのかを考えることは自分の生き方を見つめ直すことにもなるでしょう。

 今回で10回目を迎える「生と死の共育ワークショップ」は、こうした「病」について考える1日ワークショップを企画しました。皆さん自身が大きな病を経験したり、ご家族がそういう状況にある方はもちろん、病院勤務の方や、これからの人生を健康に生きてゆきたいと感じる方、あるいは風邪など一度もひいたことがない健康そのもののお人まで、幅広い方の参加をお待ちしております。

 会場は、尼崎市にあるお寺をお借りします。かつて、お寺の機能の一つに病院のような働きがあったとも聞いています。今の看護師のようなはたらきをする看護僧という方が居て、病に倒れる方々を支えたという話も興味深いところです。

 当日は、病や病の克服にまつわる書籍を1冊、お持ちいただき、皆でちょっと読み合いたいと思います。野口整体などでは、風邪などの病は、自分の体から悪いものを出すプロセスととらえたりして、急いで治したり、解熱するのはいかがなものか、と捉えたりもするようです。病のとらえかた一つとっても、様々ではないかと思います。

 また、病を通じて感じたこと、今苦しんでいること、気になっていることなどを自由に、かつ深く話せる場を持つことができればとも思います。ちょっと重たいテーマのように感じるかと思いますが、そういうテーマこそ、心ある皆でつどい、よき場で、ともに扱えれば幸いです。

 関心のある方のご参加をお待ちしています。

■日時:2019年2月11日(月・祝)10時〜17時30分(開場:9時45分)
■会場:清光山 西正寺(尼崎市上坂部3丁目36番8号)
    https://www.facebook.com/seikouzan/
    (最寄:JR塚口駅徒歩10分)

■プログラム:
 09:45 開場
 10:00 オープニング
 10:30 セッション1「<病い>を巡る本で語る」
 12:30 昼食休憩(各自でおとりください)
 13:30 セッション2「仏教は<病い>をどう扱っているのか?」
     セッション3「<病い>を語る・聴く」
 16:30 明日からの日常に向けて
 17:30 終了
 18:30頃 懇親会(任意参加)
 21:00頃 解散

■ゲスト:
○中平了悟さん(浄土真宗本願寺派 清光山西正寺 僧侶)
 1977年、尼崎市出身。大学院で仏教思想を研究。2004年から10年間、浄土真宗本願寺派総合研究所(研究員)に勤務し、仏教思想の研究と併せて、宗教思想と社会との関わり、仏教教団と社会との関わりに関心をむける。2015年~2018年龍谷大学大学院実践真宗学研究科実習助手として、公共領域で活躍できる宗教者の養成プログラムに関わる。西正寺では、地域に向けた活動として2012年から「西正寺寄席」、2016年からは、「テラからはじまるこれからのハナシ。」、「カリー寺」等を開催する。近年は尼崎地域での地域活動に多く関わる。僧侶としても、研究者としても、地域社会における寺院の活動の可能性を模索している。

■ファシリテーター:
○青木将幸さん(青木将幸ファシリテーター事務所代表)
 1976年生まれ。熊野出身。環境NGO・A SEED JAPANに関わる傍ら「それぞれの持ち味が発揮される組織づくり」に関心をよせる。95年よりNPO向けの組織運営トレーニングの開発とファシリテーションに関わる。企画会社ワークショップ・ミューで修行期を過ごした後、2003年に青木将幸ファシリテーター事務所を設立。以来、毎年100回ほどのペースで会議・ワークショップ・参加体験型研修の進行役をつとめている。2012年より拠点を東京から淡路島に移し、国生み伝説のある島から日本中に出かける日々を送っている。子どものころから「お坊さんか仙人になりたい」と思い、仏典など読みふける。近年は、羽黒山伏として修験道の修行を展開している。

○川中大輔(シチズンシップ共育企画代表)
 1980年、神戸生まれ。1998年から野外教育や不登校児童支援、環境問題、まちづくり、社会事業家支援のNPOで活動。2001年からファシリテーターとしての仕事を始め、2003年にシチズンシップ共育企画を設立。市民教育や協働まちづくり、NPOマネジメントのワークショップを各地で担当している。祖母や知人の死別などを機に、07年より「生と死の共育ワークショップ」を実施。「わたし」を大切にしながら、社会との関わりをつくっていく「生きかた」を実現するため、「まなぶ・はたらく・しぬ」という行為と社会との関係に関心を持っている。2017年からは龍谷大学社会学部専任教員。キリスト教社会福祉の現場支援にも取り組んでいる。

■定員:15名(先着順)
■対象:テーマに関心があれば、どなたでも参加できます。
    年齢やお仕事、人生経験などは問いません。
■参加費:一般 5,000円,大学生以下 無料

■お申込&お問合せ先
 申込は以下ウェブフォームからお願いいたします。
 https://goo.gl/forms/AVZzOGSXafpmEF083

 お問い合わせにつきましては、メールにてお気軽にどうぞ。
 info■active-citizen.jp(■を@に置き換えてください)

■主催:シチズンシップ共育企画
■共催:青木将幸ファシリテーター事務所
■協力:清光山 西正寺

<個人情報の取扱い>
記載の個人情報は本セミナーの実施および今後の催事実施においてシチズンシップ共育企画及び青木将幸ファシリテーター事務所が利用します。個人情報は目的の範囲内で利用するとともに適切な方法で管理し、法令上の特段の事情がない限り、本人の同意なしに第三者への目的外での開示・提供はいたしません。