Who We Are

私たちの考えるシティズンシップ教育とは?

鈴木:「シチズンシップ共育企画のプログラムに関わった人に学び取ってほしいこと」についてお話いただけたらと思うんですが、どういうイメージを持っておられますか?

小林:「公共性」と言うと難しいかもしれないけど、「つながり」という言葉かな。「自分がどう社会につながるか」というか。

東末:例えば「ユースACTプログラム」に関わる子たちは、言わば公益活動の現場に関わるわけだよね。「その現場とどういう距離で身をおくのか」、その現状を測るのが、こういうプログラムだと思う。

鈴木:その「距離」というのは、自分と団体との距離ですか?

東末:いや、今いる自分と、取り組んでいる問題や社会との距離だね。どんな場合でも、人って自分の活き活きできる位置を探すじゃない? 現場に関わり出すと自分の位置が見えてくる。それが見えたあと、さらに関わるかどうかは本人次第だけれど。

鈴木:自分と社会の距離を見つける、という感じでしょうか。

東末:「見つける」というか「見る」やね。

川中:そもそも距離が見えていない状態のことが多いだろうから、「自分と社会は、今こんな距離感だよね」というのを確かめる、ということでしょうね。

東末:とは言えあくまでも短期間だから、「見る」くらいしかできないのかなという気持ちもあるけれど。

川中:それでも、「まず距離を見てみよう」ということの意味はあると思うんです。「ここに道があるよ」みたいな感じで。

小林:その距離が見えるようになる、っていう事はすごく大きいと思うんですよね。

川中:見えるようになったところで、もうちょっと前に進みたい人は「じゃあやろう」みたいな展開があると嬉しいですね。道があることを知り、距離感を知り、その後どうしたいの?と問うていく。そういう感じ。

鈴木:そう考えると、自分が高校生の時は「道があること」すら、よく分からなかったですから。

東末:道はね、そのうち見えてくると思うよ。でも、たまたまその「道」に出会ったときに自分がどこにいるのか、を考えることじゃないかな。「これだけ距離、離れているのね」っていう気付きから始まるでしょう。その距離をまず測る機会って若手には少ないと思う。だからすごく価値があると思うんだよね。

ミッション

人々がアクティブな市民になるために。
民主的な対話を実感/実現できるために。
市民的リテラシーを獲得した民主主義の担い手が育つ
社会の実現のために。

民主主義社会において、私たちは常に既にこの社会を構成している大切な一員として、社会の当事者として、社会に参画する権利を有しています。だからこそ、その権利が保障される場を創り出して、或いは創出された場を支えて、市民の影響力を拡大し、民主主義を強めていきたい、そのように私たちは願っています。
この願いを実現するためには、権利主体としての自覚を涵養しつつ、一人ひとりが自らには未来をつくりだす力が備えられているという自信を回復し、その力を活性化していくことが求められるでしょう。こうした市民が社会創造に参与するための「市民力」のエンパワメントがシチズンシップ共育企画の主たる目的です。
特に私たちは、多様な人々との共生社会を実現する人間関係を築く「コミュニケーション」、粘りある議論から合意形成を生み出していく「熟議」、自ら思い描く未来から現代社会を捉え直して新たな問題を導き出したり、既に地域/社会で起こっている問題を見いだす「問題発見」、その問題解決のために個々がリーダーシップを発揮する「協働」といった動きに着目して、学びや参加の場をつくっていきます。あわせて「市民力」のエンパワメントに取り組む教育者や支援者の「教育ファシリテーション」の技能向上にも取り組みます。
シチズンシップ共育企画はこれらの取組を通じて、市民社会の成熟と民主主義の強化に参与していきます。

若者がディスエンパワメントされている問題にどう立ち向かうか?






大切にしていること

「じぶん」になる、「しみん」になる。

シチズンシップ共育企画が大切にしていることを一言で言い表すと、『「じぶん」になる、「しみん」になる。』となります。これは言い換えれば、「自分を幸せに生きて、社会も幸せにする。」ということになります。シチズンシップ共育企画の市民教育を通じて、滅私奉公的な市民が育つのではなく、人権尊重のもとで「個」を大切にして自分らしく生きながら、社会に関わる人間が育って欲しいと考えています。ですから、「しみん」になる教育と「じぶん」になる教育の統合を図るように努めています。

*ユネスコ「学習権宣言」(The Right to Learn)

 

ロゴの説明

団体概要

名称
シチズンシップ共育企画
設立年度
2003年4月
連絡先
〒661-0965 兵庫県尼崎市次屋1-2-20 ハイツアメニティ2-203
(JR尼崎駅徒歩10分)Googleマップ
*事務所へお越しになる際は、必ず事前に予約をお入れください。
資料
組織概要  活動の全体像  規約  プライバシーポリシー
事業報告
2023年度
2022年度
2021年度
2020年度
2019年度
2018年度
2016-2017年度
2015年度
2014年度
2013年度
2012年度
2011年度
2010年度
2009年度
2008年度
2007年度
決算報告
2023年度
2022年度
2021年度
2020年度
2019年度
2018年度
2016-2017年度
2015年度
2014年度
2013年度
2012年度
2011年度
2010年度
2009年度
2008年度
2007年度
2006年度
2005年度
過去参考資料
パンフレット(2010年ver.)

役員

川中 大輔/かわなか だいすけ [代表]

 1980年、神戸生まれ。関西学院大学社会学部卒、立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科修士課程修了。1998年から野外教育や不登校児童支援などに取り組む市民活動に参加し、NPO法人BrainHumanity副理事長・事務局次長、IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]フェロー、国際青年環境NGO・A SEED JAPAN理事、公益・非営利支援センター東京コーディネーター、神戸市協働と参画のプラットホーム協働コーディネーターなどを歴任。
 2003年にシチズンシップ共育企画を設立し、現在、同代表。「市民としての意識と行動力」が育まれたり発揮されたりする場づくりに取り組み、全国各地で市民教育や若者の参加、協働まちづくりやNPOマネジメントに関するワークショップを担当。2013年に日本シティズンシップ教育フォーラム(J-CEF)を多くの方々と共に設立。同運営委員・事務局長を経て、現在はマネジメントスタッフ(事務局担当)。
 (財)大学コンソーシアム京都研究主幹、立命館大学共通教育推進機構嘱託講師(サービスラーニング担当)を経て、2017年から龍谷大学社会学部専任教員。同大学講師を経て、2021年より准教授。2019年度-2023年度、放送大学客員准教授。市民の社会参加や社会イノベーション実践に資する教育/研究に取り組んでいる。
 現在は他にNPO法人まちなか研究所わくわく理事、NPO法人神戸まちづくり研究所理事、NPO法人わかもののまち理事、認定NPO法人日本ボランティアコーディネーター協会(JVCA)理事、NPO法人こどもソーシャルワークセンター監事、NPO法人BrainHumanityフェロー、公害資料館ネットワーク幹事、子ども・若者ケアラーの声を届けようプロジェクト(YCARP) 発起人、ひょうご市民活動協議会(HYOGON)監事、(公財)コープともしびボランティア振興財団運営委員、(公財)ひょうごコミュニティ財団専門アドバイザー、日本ソーシャル・イノベーション学会理事、日本福祉教育・ボランティア学習学会特任理事、こども家庭庁こども家庭審議会こども・若者参画及び意見反映専門委員会委員なども務める。
履歴書・業績書龍谷大学教員紹介ページ龍谷大学教員インタビュー記事『生涯学習』掲載記事、写真(ABCD

三浦 一郎/みうら いちろう [運営委員]

 1981年、兵庫県姫路市生まれ。関西学院大学商学部卒。兵庫教育大学大学院学校教育研究科修士課程修了。(財)日本アウトワードバウンド協会の冒険教育指導者養成コース(JALT)修了。NPO法人BrainHumanity副理事長、 NPO法人岩美自然学校職員などを経て、小学校教諭に。現在はプラハ日本人学校にて勤務。シチズンシップ共育企画運営委員、NHK「総合的な学習の時間」番組委員会委員。子ども達が探究的に学ぶことのできる場が生まれるよう「総合的な学習の時間」の単元開発に力を注ぐ。

小林 有希/こばやし ゆうき [運営委員]

 1988年生まれ。小学校4年生から中学校3年生まで、和歌山県山中にある「学校法人きのくに子どもの村」にて学ぶ。進学した地元の公立高校で「教育」や「学校」「学び」に対して違和感を持ち、教育分野でのスタディツアー、シチズンシップ教育プログラムなどの企画運営を行う。
 大阪府公立小学校常勤講師、学校法人きのくに子どもの村学園職員を経て、現在はシステム開発の仕事に携わりながら子育てに奮闘中。一般社団法人はらいふ理事。シチズンシップ共育企画では、事業コーディネーター(2008-2009)を経て、2011年より現職。

木上裕貴/きがみ ひろき [運営委員]

 1989年、京都府船井郡生まれ。京都産業大学経営学部卒。2011年、大学在学中にシチズンシップ共育企画「ユースACTプログラム」のボランティアスタッフとして活動。高校生とのまちづくり活動を通じ、市民の主体的な活動のサポートに関心を持ち、大学卒業後は中間支援を行うNPO法人シミンズシーズの職員へ。現在は同法人の理事となり、一般財団法人明石コミュニティ創造協会に所属。両団体で兵庫県東播磨地域での市民活動や地域自治組織の支援業務を行なっている。

大本 晋也/おおもと しんや [シニアフェロー]

 1983年の県立淡路盲学校勤務を皮切りに県立高校教員を18年間勤め、その間公民分野でゼミナール形式の授業等も展開。2001年 国立淡路青年の家専門職員として3年間勤務。淡路青年の家では高校生演劇ワークショップ、高校・大学・教員のためのボランティアセミナー等の主催事業を担当。淡路青年の家環境教育プログラム集の作成にも携わった。その後2004年から10年間兵庫県教育委員会に勤務。播磨東教育事務所での1年間の勤務を挟んで、主に社会教育課で勤務し、県の社会教育行政に携わった。2014年度から2021年度まで(独)国立青少年教育振興機構国立淡路青少年交流の家所長。社会教育・生涯学習の現場での経験を生かし、同施設の企画する教育事業や研修支援事業の一層の充実を図った。その後、南あわじ市教育委員会職員を経て、2024年度から青山学院大学コミュニティ人間科学部特任教授。舞台芸術を趣味とし、現在は演劇から音楽イベントまで、主に音響を担当している。

東末 真紀/とうすえ まき [シニアフェロー]

 1971生まれ。神戸市中央市民病院、NPO法人自然スクールトエックやNPO法人神戸まちづくり研究所の職員、神戸大学学生ボランティア支援室ボランティアコーディネーター、NPO法人コミュニティ事業支援ネット職員を歴任。NPO職員時代は「主体性の尊重」を軸に、青少年育成のための野外活動、指導者養成、NPO支援、地域拠点立ち上げ、住民主体の復興まちづくりの支援などに従事。大学では学内だけにとどまらずボランティアを行う学生団体とともに現場に出かけ、双方ともに豊かになれるような関係の構築に力を入れた。現在は看護師として病院勤務。

井出 大地/いで たいち [フェロー]

 1985年、京都府宇治市生まれ。滋賀大学大学院教育学研究科学校教育専修修了。学校教育以外の教育に興味をもち、学生団体やNPOの教育活動に取り組む。2008年、シチズンシップ共育企画「ユースACTプログラム」事務局スタッフとして活動。
 学生の自由な実践の場と地域の子どもたちの豊かな環境づくりを目指し、クラブスクール「TOPOS(トポス)」の運営や市民団体「大津ふるさとづくりフォーラム」事務局長、キャリアリンク(株)勤務を経て、現在は京都文教大学職員。

城木 信浩/しろき のぶひろ [フェロー]

 1985年、京都府生まれ。2013年3月、滋賀大学大学院教育学研究科国語教育専修修了。シチズンシップ共育企画では、2008年度(事務局担当)、2013年度(探究コース担当)に、ユースACTプログラムで活動。大学院では、滋賀県で大津の三田川、セタシジミなどをテーマにした体験学習プログラムを実践研究。「『体験を通して起こることば』が、学習者の『学び』にどのように関わっているのか」という問題意識を活動の中心に据えている。現在、大津市立膳所小学校教諭。

藤澤 文徳/ふじさわ ふみのり [フェロー]

 1995年、長野県中野市生まれ。兵庫県立大学環境人間学部卒。上越教育大学学校教育研究科専門職学位課程修了。高校時代に参加したまちづくり活動で主体的にまちに関わる「かっこいい大人」に出会い感銘を受け、以来地域の活性化や市民活動に興味を持つ。大学在学中はシチズンシップ共育企画「ユースVOICEプログラム」のボランティアスタッフやインターンとして活動。東急リゾーツ&ステイ㈱を経て、現在は上田市立第四中学校講師(社会)。

古田 雄一/ふるた ゆういち [フェロー]

 1987年生まれ。東京大学大学院教育学研究科修士課程、筑波大学大学院人間総合科学研究科博士後期課程教育基礎学専攻修了。大阪国際大学短期大学部専任講師、同准教授を経て、2022年度より筑波大学人間系助教。博士(教育学)。日本シティズンシップ教育フォーラム(J-CEF)元共同代表。日本とアメリカを主なフィールドとして研究に取り組むとともに、中高生の地域・社会参加学習や生徒参加の学校づくりなどの実践にも携わる。

湯浅 雄偉/ゆあさ ゆうい [フェロー]

 静岡県立大学在学時に、色々と手を出してキャリア形成やユースワークをテーマにする学生団体で活動。4年次に休学し、シチズンシップ共育企画で長期インターンシップを経て、静岡でも若者エンパワメントの活動に邁進、自分がエンパワメントされてないことに気づく。その後、コミュニティワーク研究実践センター(北海道月形町)で生活困窮者・ホームレス支援を通じたまちづくり活動に取り組むうちに、自分が何度も救われる。
 現在、社会福祉法人一麦会megluck(メグリュック)にて、主任指導員。アートと農業の仕事づくりに取り組む。遊びと学び、仕事の境界が崩される日々。他に、静岡県立大学「地域未来づくりフェロー」、非常勤講師少数。

松井康次/まつい こうじ [フェロー]

 1991年生まれ。立命館大学政策科学部卒。同志社大学大学院総合政策科学研究科ソーシャルイノベーション研究コース修士課程修了。学部在学時に災害救援を行うNPO法人に所属し、全国各地での被災地支援を経験、修士課程では障害者を家族にもつ子どもを対象に、当事者の抱える悩みや葛藤に向き合う。学生時代の経験から対人支援に関心を持ち、自身の家族の経験から障害を抱えながら社会生活を送ることの困難さに問題意識を持つ。現在、(株)LITALICOパートナーズにて障害者の就労移行支援所の運営に携わりながら、多様な人にとって働きやすい職場環境を模索している。

林 寛人/はやし ひろと [監事]

 1992年大阪府生まれ。関西学院大学人間福祉学部卒業。社会福祉士。在学中は大学ボランティアセンター内の学童保育ボランティアセクションで活動。同活動中に当会とファシリテーションに出会う。当会と出会ったことで「自身を理解する」ことに向き合うようになり、その延長線から大学卒業後は当会にて長期インターンシップを経験。その後、介護職、(社福)大阪ボランティア協会等、NPO業界中心のキャリアを経て、現在はエンジニアとしてシステム開発会社に勤務。個人的な中長期の目標はNPO業界へのWebサービス開発・運営をすること。