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活動実績

ワークショップレポート



・主催:シチズンシップ共育企画
・共催:(財)京都ユースホステル協会
・日時:2009年6月13日13時~14日17時
・場所:京都宇多野ユースホステル
・ファシリテーター:川中大輔(シチズンシップ共育企画)
          長尾文雄(聖マーガレット生涯教育研究所)

 それぞれの考える「よい社会」を目指して展開される市民活動。しかし、個々の分野の未来は語られても、未来社会全体のデザインについてはなかなか語られないのではないでしょうか。
今回は、そんな思いで仕掛けられた実験的な場でした。そんな2日間の様子を、参加者の声や写真を交えながらレポートします。(by 鈴木陵くん/シチズンシップ共育企画)

■1日目
当日、集まった参加者は20代から40代まで。活動分野は環境、まちづくり、教育…。世代も、分野も、多様な11人が集いました。
最初に自己紹介と、今回のワークショップへの期待を発表。
その後「ここ30年で起こったよい変化/よくない変化」について議論し、ウォーミングアップです。
【いま、私たちはどのような社会に生きているか?】
ここからが本番。まずは、各自の現場からいまの時代社会を考察!
・ 「今、どのような活動に取り組んでいるか」
・ 「なぜ、その活動に取り組んでいるか(起こっている問題は何か)」
・ 「どういう価値観、思考の枠組みが問題を引き起こしているか」
 の3つの問に、それぞれが答えました。
「いまの社会って、一体どんな社会なのだろう…。」
・ 自分には関係ない、という考えかた
・ 林業をほとんど取り上げない小・中学校教育
・ 公正さの欠如変化を拒む体質
・ 相互作用の軽視
…など、現代社会の問題の根底にある価値観が、少しずつあぶり出されてきます。
【より広めるとよい、オルタナティブな価値観、システムは?】
今度は「ネクスト・ソサエティのコンセプトとして使えそうな言葉は?」をテーマに、グループに分かれて話し合い。
先のセッションで見えてきた社会像「ではなく」、どんな社会を目指すのか? ワールドカフェ方式で探求。
当事者意識・Be Open! ・かけ算・対話・自発性・多様性・規範…
ネクスト・ソサエティを見据えるキーワードがたくさん挙がったところで、それぞれが「もっとも大切にしたいキーワード」を発表し、1日目を終えました。
■2日目
2日目の滑り出しは、昨日発表した「もっとも大切にしたいキーワード」について、「活動の中で『カタチにできていること/いないこと』」を各自が発表。「こんな社会だったら」という理念や考え方を、どれだけ現場で実践できているでしょうか?
一度現場に照らし合わせてみた、これからの社会像をあらわすキーワード。その中から「ぜひ他のメンバーと一緒に吟味したい!」というものについて、グループで議論しました。
【ネクスト・ソサエティのコンセプトは?】
ここまで吟味し、温めたキーワードを「コンセプト」として表現します。
時間をかけて、じっくりと練り上げる参加者のみなさん。
「刺激的な毎日を!」「変化へのひらかれ」
「覚差社会」「無関心は自分から」…
それぞれの背景や、考えが詰まったコンセプトが挙がりました。
ワークショップも終盤。ここでファシリテーター・長尾文雄さんによるセッション「2030年の社会を夢見る」。
20年後、自分の生活、活動、それを取り巻く社会は一体、どうなっているのだろう…。
一人ひとりじっくりと、思いを馳せます。
ここまでの2日間の、ふりかえり。
「これからの生き方で大切にしたい態度は?」「これからの活動の中でどのような実践をするか?」「今回、もっとも印象に残ったことは?」
これからの生きかたにおいて、活動において、どう活かしていくのか?最後に、グループになって問へのそれぞれの答えを共有しました。
すぐには役立たないであろう、今回のワークショップ。しかし、今後どこかで今回の成果が染み出してきそうな、そんな予感をさせる場となりました。
■スタッフからのメッセージ
◎川中大輔(本WSファシリテーター)
 いま、私たちが生きている現代社会の先行き不透明感は高まるばかりです。わずか先に見えているものがあっても、それは既存の社会システムの破綻に対する不安に覆われた「クライミライ」であることが殆どでしょう。このような世にあって、私たちはどのような「アカルイミライ」を想像し、そして創造していけるのでしょうか。
 このワークショップは、参加者のそれぞれが実践している、足もとからの社会変革の動きの「根」を見つめ直し合いながら、「アカルイミライ」を描きだしていくポジティブな想像力を回復していく営みであったと言えるでしょう。一見するとバラバラの活動をバラバラのフィールドで行っている、しかも世代も多様な参加者が集って、言葉を連ねながら、自他の活動を相対化しつつ、つながりを見いだしていき、大きな地中の「うねり」をつかんでいく。そのような時でした。
 とはいえ、たとえ同じ言葉に共感していても、そこから思い描く具体的なビジョンや思いは微妙に異なり、なかなか、合意された理念を得ることはありませんでした。しかし、今回のワークショップで出されたいくつかのキーワードのように、私たちの内にあるポジティブなビジョンや思いを誘い出してくれる言葉、そのような「希望の言葉」があることへの気づきに私は価値を見いだしています。
 そうした希望の言葉を紡ぎ出していく営みはひとたび限りの場ではなく、これからも様々なところで展開され、織り物をつくっていく必要があるでしょう。今回の小さな実験を私たちは広げていきたいと思います。
 今回のワークショップは、決して「すぐに」役に立つようなものではありません。しかし、じわじわぁと「土壌」にしみこむようなエネルギーを得る場でした。そのエネルギーが、参加者一人ひとりが力強く歩みつづける日々の糧となることを祈っています。
◎鈴木陵(本WSコーディネーター)
 今回のワークショップは、「すぐに役立つ!」ものでもなければ「具体的にこんな成果が挙がった!」という類のものではありませんでした。しかし、「目に見えにくく、しかし必要な議論」というものは必ず存在していると思います。こうした「目に見えないものの力」を実感したと同時に、今回のようにじっくり浮かび上がらせた「理念」は、当然ながら日々の生活の小さな態度や活動の積み上げによって形づくるしかない、ということも、同時に痛感させられた時間でありました。
■詳細な報告書はこちらからご覧ください。(PDFファイル)

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