生と死の共育ワークショップ vol.3「<老い>を表現する」

「もう僕も老いたからなぁ、アカンわぁ…」
「老けへんようにせなあかんのちゃう?…」
「いやぁ、老いたくないよねぇ…」

日常生活でそんなフレーズをよく聞きます。
ついつい私も口にしてしまいます。

「アンチエイジング」
という言葉で表現されているように、
「老いること」はどうも良くないこと、
と世間では受け止められがちのようです。

しかし、いくら「アンチだ」と言っても、
私たちは「老いる」ことから逃げられません。

そうであればこそ、
きちんと「老いること」と向き合ってみて
自分の「ありたい老いかた」を考えて、
老いていく、つまり、生きていくことが
必要なのではないでしょうか。

「老いる」ってどういうことなんか?
決して悪い側面ばかりではないでしょう。
良い側面もきっとあるはずです。

今回のワークショップでは、
演劇ワークショップをされている方もゲストにお招きし、
「老い」というものを演劇的に表現するなどして、
「アタマ」だけではなく「からだ」を通じても
捉えてみたいと思います。
みなさんは、
どんな風に齢を重ねてゆきたいと思いますか?

私は全国各地のワークショップで
いろんなご老人の方々と接して、
自分の中に「こうありたい」という像が
ぼんやりと浮かんできています。
でも、まだ固まりきっていません。

「老い」をめぐる
いろんな人の考えに触れながら、
自分の内なる声にも耳を傾け、
これからの自分の「生きかた」を
ゆっくりと考える時間を
一緒に持ちませんか?

「いかに生きるか?」を考えるということは
「どのように老いていきたいのか?」ということ。

その問いへの答えは「ひとつ」ではありません。
その答えは人それぞれです。
しかし、他者の考えや思いに触れてみるとと、
「自分なりの答え」が豊かになります。

ご関心のある皆さんのご参加を
心からお待ちしています。

もちろん、「死」や「老」といったことについて、
これまできちんと考えたこともない、
そういった方でもご参加いただければと思います。

*「生と死の共育ワークショップ」は、2007年から大阪の應典院にてスタートしたシチズンシップ共育企画主催のワークショップ。1回目は「自死(自殺)」、2回目は「お葬式」をテーマにして「死ぬ」ということと真正です面から向き合い、そこから「生きること」を捉え直しました。第3回目の今回は、死への過程にある「老い」をテーマにします。
■日時
2009年11月14日(土) 13時~11月15日(日)17時

■会場
浄土宗應典院・大蓮寺
(大阪市営地下鉄 谷町九丁目または
日本橋駅下車徒歩7分)

■参加費(宿泊費・食費は含みません)
一般 15,000円 / 学生 10,000円

・大蓮寺での宿泊も可能です(4000円追加徴収)。
ただし、タオル類は各自ご持参ください。

※10月31日以降のキャンセルは、
キャンセル料をいただきます。ご了承ください。
(10月31日以降=参加費の50%、
WS当日=100%のキャンセル料を)

■対象
・どなたでも参加できます。
年齢、活動分野、経験などは問いません。

・自分の生き方をじっくり考えたい方、
介護・看護や青少年支援といった
ヒューマンサービス分野で活動されている方、
ファシリテーターの方、
「今」を駆け抜けている若者に特にお勧めです。

・2日間通して参加できる方

■定員:15名程度

■プログラム
<1日目:「老いる」とはどういうことか?>
12:45 開場・受付
13:00 オープニング
13:30 セッション1「老いをイメージする」
14:30 セッション2「老いを演じる・感じる(1)」
17:00 セッション3「老いを聴く」
18:00 ふりかえり
19:00 夕食(任意参加)
20:00 入浴(大蓮寺ご宿泊の方)
21:00 交流会(任意参加)
23:00 散会

<2日目:どう「老い」ていきたいか?>
09:00 セッション4「老いを演じる・感じる(2)」
12:00 各自自由に昼食
13:30 セッション5「老いを語る」
15:30 ふりかえり 17:00 プログラム終了

■ゲスト
●岡野真大さん(演劇ユニット「ケービーズ」)
1973年・京都府生まれ、大阪府在住。現在の職業は、京都市内の私立小学校教員。
京都教育大学在学中から舞台演劇をはじめ、現在は演劇ユニット「ケービーズ」で劇作・演出、出演、企画制作を手がける。「小劇場系」とよばれる、観客数100人にも満たないような小さな空間での舞台作品を中心に、京都・大阪で活動中。
近年は、演劇と教育を横断する活動が多く、児童・生徒への演劇指導や、「演劇とコミュニケーション」を題材にしたワークショップの講師などをおこなっている。主な活動として、京都市東山青少年活動センター・若手アーティスト育成支援企画「東山ステージ・サポート・プラン」運営参画(02年~)や同センター・創造活動ボランティアチーム「創活番」チーフ(05年~)。

●長尾文雄さん(聖マーガレット生涯教育研究所)
1940年生。関西学院大学文学部卒。関西学院大学職員、関西いのちの電話事務局長等を経て、現在フリーランス。聖マーガレット生涯教育研究所(SMILE)主任研究員、大阪女学院大学・短期大学非常勤講師、社団法人好善社理事、NPO法人ブレーンヒューマニティー理事などを兼務。
ラボラトリー・トレーニング(Tグループ・トレーニング)を基本にボランティア養成、青少年指導者養成、傾聴ボランティア養成などの教育実践活動、援助専門職養成およびスーパービジョンを行なう。
29歳の時に進行性筋萎縮症を発症。ゆっくりと進行する身体の不自由さと付き合って40年。現在は車いすで介助を受けながら生きる自らの「老い」に関心を持っている。

●秋田光彦さん(浄土宗大蓮寺・應典院)
1955年大阪生まれ。1997年にアーツとNPOの拠点・應典院を再建。日本でいちばん若者が集まるお寺として知られる。多様なNPOと協働して、人生の完成期を支援するエンディングサポートを推進。また生前個人墓や身内葬を手掛け、現代の葬送文化に対し積極的な提言を行う。現在、浄土宗大蓮寺・應典院住職。パドマ幼稚園園長。
目下の関心は、市民社会とスピリチュアリティの関連。共著に『日本人と死の準備』(角川SSC新書、2009年)、『地域を活かすつながりのデザイン』(創元社、2009年)など。

■ファシリテーター
●川中大輔(シチズンシップ共育企画)
兵庫県生まれ。98年から青少年支援の市民活動を始め、教育・環境・まちづくり・市民活動支援の活動に参加。01年から全国各地でNPOマネジメント研修やコミュニケーショントレーニングをはじめとする教育ワークショップのファシリテーターを担当。03年に「市民としての行動力」の向上を支援するシチズンシップ共育企画を設立し、現在同代表。
祖母の死と自分が向き合う中で「生と死の教育」の必要性を痛感し、07年より「生と死の共育ワークショップ」を展開。「いかに働くか?」だけでは「いかに生きるか?」を考えるには不十分にも関わらず、今の若者は「生きかた」としっかり向き合う機会が少ないことに問題意識を持っている。「生きかたの哲学」を構築するワークショップの開発が最近の関心。

●青木将幸さん(青木将幸ファシリテーター事務所)
ファシリテーター。様々な会議や話し合い、ワークショップの進行役として各地をわたり歩いている。
友人のうつ病と死、娘の出産などがきっかけで、人の「生死」や「こころ」のありように目を向けはじめる。お互いに温かく育みあえる関係性の構築に着目し、最近では「人生のワークショップ」「もうひとつの成人式」「女と男のワークショップ」など人生の様々なシーンにまつわるワークショップの開発を試みている。
現在、青木将幸ファシリテーター事務所代表。

■主催:シチズンシップ共育企画

■共催:大蓮寺・應典院、青木将幸ファシリテーター事務所