新年のご挨拶「無力さを感じるからこそ関心を抱く。」

明けましておめでとうございます。
2024年の年頭に当たり,謹んで新年のご挨拶を申しあげます。

 心を痛めるこの事態はもはや止められない/変えられないのではないか。そのような無力感に襲われることがあります。多くの人々から発せられる願い/訴えが踏みにじられたり蔑ろにされたりすることが続けば,「私」が関心を持っても意味がないのではないかと思ってしまうことも当然のことです。無力感は無関心をもたらします。
 しかし,無力に感じられるからこそ,せめて関心を抱き続け,凄惨な事態から目を逸らさず,小さくされている人々の側に立って思いを寄せていくことが求められているのではないでしょうか。当事者の苦悶/悲哀/憤怒を想像することは不可能に近く,途方に暮れるかもしれません。それ故,関心を保つためには,心を開いて声に耳を傾け,知ろうとする努力を要します。
 問題の放置につながる無関心と忘却は暴力に他なりません。関心を持って学び,学ぶことで関心を支え,「私」が関与する余地を見出し,何かしらの行動を起こしていく。この行動は成果を出すとは限らないでしょう。しかし,その姿勢こそ人間らしく生きることを現すのではないかと考えます。人間性が磨かれ,市民としての成長/成熟が実現する学びのデザインを探ってまいります。

2024年 元旦
シチズンシップ共育企画
代表 川中 大輔