無縁社会、という言葉が、最近よく聞かれます。
人は社会で生きていく中で、様々な交わりを持ち、家族での縁のみならず、
仕事での縁や地域の中での縁、サークル活動や市民活動を通しての縁など、
様々な「縁(つながり)」を得ていくことになります。
しかし、「看取り」の場面では、無縁化してしまうことが少なからずあるようです。
なぜなのでしょう。
私たちは、いま、どのような「縁」を、どのように育んでいるのでしょう。
「生と死の共育ワークショップ」、4年目の今年は、
こうした「看取りと『縁』」を巡るセッションになります。
今回のメインゲストには、看取りの現場で寄り添われる、
地域の診療所の看護士の方をお招きします。
看取りの場で浮き彫りになる「縁」の結晶化や再生/新生、
そして「縁」を巡る難しさの実際を目の当たりされています。
その貴重なお話に耳を傾けながら、
「私と看取りと『縁』」の問いを育んでいきます。
どのような「縁」を育みながら、どのような「縁」の中に身を置きながら、
私たちは生き、老い、死んでいくのか。誰に/どのような思いで看取られたいのか。
こうした問いへの答えは「ひとつ」ではありません。
その答えは人それぞれです。
しかし、他者の考えや思いに触れ、
そして、それに反応する自らの内なる声に耳を傾けてみると、
「自分なりの答え」が豊かになります。
これからの自分の「生きかた」を
ゆっくりと考える時間を一緒に持ちましょう。
■日時
2010年10月16日(土)13時30分~10月17日(日)17時30分
■会場
浄土宗應典院・大蓮寺
(大阪市営地下鉄 谷町九丁目または日本橋駅下車徒歩7分)
■参加費(宿泊費・食費は含みません)
一般 15,000円 / 学生 10,000円
・大蓮寺での宿泊も可能です(4000円追加徴収)。
ただし、タオル類は各自ご持参ください。
■対象
・どなたでも参加できます。
年齢、活動分野、経験などは問いません。
・自分の生き方をじっくり考えたい方、
介護・看護や青少年支援といった
ヒューマンサービス分野で活動されている方、
ファシリテーターの方、
「今」を駆け抜けている若者に特にお勧めです。
・2日間通して参加できる方
■定員:15名程度
■プログラム
<1日目>
13:00 開場・受付
13:30 オープニング
14:00 セッション1「わたしと看取り/わたしの看取り」
14:30 セッション2「看取りの現場から(1)」(ゲストトーク)
16:00 セッション3「わたしと『縁』/わたしの『縁』」
18:00 ふりかえり
19:00 夕食(任意参加)
20:00 入浴
21:00 交流会(任意参加)
23:00 散会
<2日目>
09:00 セッション4「逝きざまから生きざまへ(1)」
12:00 各自自由に昼食
13:30 セッション5「看取りの現場から(2)」(ゲストトーク)
14:30 セッション6「逝きざまから生きざまへ(2)」
17:00 ふりかえり「明日に向かって」
17:30 プログラム終了
*参加者の関心等の状況に応じてプログラム内容は変更されます。ご了承ください。
■ゲスト
●岡崎和佳子さん(菜の花診療所)
大分県出身。山の中の小さな村で、野山を駆け回って育つ。看護学校を卒業後、しょうがい児施設、大学病院に勤務。1980年代後半に、「みんなで創ろう、みんなの診療所」の呼びかけに賛同し、学習会を経て1991年に「菜の花診療所設立準備会」をみんなで立ち上げる。全国より出資金をいただき、多くの方の熱意と温かい力で、1992年に菜の花診療所を開設。以後、「出かける医療」「そこに行けば何とかなる診療所」をスローガンに、外来や在宅の医療やケアーをスタッフとともに提供、奮闘中である。大事にしたい事は、「かけがえない存在としての個」、「この時、この場」。
●秋田光彦さん(浄土宗大蓮寺・應典院)
1955年大阪生まれ。1997年にアーツとNPOの拠点・應典院を再建。日本でいちばん若者が集まるお寺として知られる。多様なNPOと協働して、人生の完成期を支援するエンディングサポートを推進。また生前個人墓や身内葬を手掛け、現代の葬送文化に対し積極的な提言を行う。現在、浄土宗大蓮寺・應典院住職。パドマ幼稚園園長。目下の関心は、市民社会とスピリチュアリティの関連。共著に『日本人と死の準備』(角川SSC新書、2009年)、『地域を活かすつながりのデザイン』(創元社、2009年)など。
■ファシリテーター
●川中大輔(シチズンシップ共育企画)
兵庫県生まれ。98年から青少年支援の市民活動を始め、教育・環境・まちづくり・市民活動支援の活動に参加。01年から全国各地でNPOマネジメント研修や市民教育ワークショップなどのファシリテーターを担当。03年に「市民としての意識と行動力」を育む学びの場をつくるシチズンシップ共育企画を設立し、現在同代表。
自分の祖母の死との向き合いきれなさから「生と死の教育」の必要性を痛感し、07年より「生と死の共育ワークショップ」を展開。自分も含め、今の若者は「生」とトータルに向き合う機会が少ないことに問題意識を持っている。最近は「まなぶ・はたらく・しぬ」という行為と社会との関係に関心を寄せ、ワークショップを企画していっている。上智大学グリーフケア研究所非常勤講師ほか。
●青木将幸さん(青木将幸ファシリテーター事務所)
ファシリテーター。様々な会議や話し合い、ワークショップの進行役として各地をわたり歩いている。
友人のうつ病と死、娘の出産などがきっかけで、人の「生死」や「こころ」のありように目を向けはじめる。お互いに温かく育みあえる関係性の構築に着目し、最近では「人生のワークショップ」「もうひとつの成人式」「女と男のワークショップ」など人生の様々なシーンにまつわるワークショップの開発を試みている。現在、青木将幸ファシリテーター事務所代表。
■主催:シチズンシップ共育企画
■共催:大蓮寺・應典院、青木将幸ファシリテーター事務所