赤澤清孝・川中大輔・野尻紀恵編『新・学生のためのボランティア論』(大阪ボランティア協会, 2025年1月)がこの度、刊行されました。編者の一人として企画・編集に関わると同時に、「ボランティアと社会デザイン–私たちはどういう社会を目指すのか?」「SDGsとボランティア」(いずれも単独執筆)「刊行にあたって」(赤澤清孝さん・野尻紀恵さんとの共同執筆)を担当いたしました。詳しく大阪ボランティア協会ウェブサイトの紹介ページをご覧ください。
カテゴリー: NEWS
新年のご挨拶「『理解すること』の困難から逃げない」
明けましておめでとうございます。 2025年の年頭に当たり,謹んで新年のご挨拶を申しあげます。
「必ずしも共感したり同意したりする必要はない。理解すればよい。」主義主張を異にしている他者との関わりについて,そのように説かれることがあります。しかし,「理解すること」は容易ではありません。考えが異なっていく道筋を明らかにすることができても,他者がその道筋をなぜ歩むようになったのかはなかなか見えにくいからです。
私たちの社会では分派化/分極化が進み,自らにとって異見を持つ人々との溝は広がり深まるばかりです。理解を求めて接近すれば,刺々しいやりとりに陥ることも少なくありません。そうすれば,「理解すること」への諦めや敵愾心が生じてしまいます。
敵対的なコミュニケーションへと踏み外してしまわないためには,どうすれば良いのでしょうか。互いに理解し難いことを認めながら,議論につながらないような共同作業に何かしら取り組むことで関係性を断ち切らないことがまず求められるように思われます。関係性が温まっていく過程で,理解不可能性を生み出しているものを共に探っていく営みへと開かれていく可能性があるのではないかと考えるからです。
隔たりのある人々の間で「関係性ののり代」となる共同作業の機会をいかに豊かに創造できるか。この課題に取り組む市民の働きを考えていきたいものです。
2025年 元旦
シチズンシップ共育企画
代表 川中 大輔
【参加者募集】「NPOと大学教員のパラレルキャリアを考える vol.2」
NPOと大学教員のパラレルキャリアを考える vol.2
赤澤清孝さん公開インタビュー
==社会を変える複線キャリアの可能性を探る==
2024年12月25日、「NPOと大学教員のパラレルキャリア」をテーマにしたトークセッションを開催します。本イベントでは、NPOの活動と大学の仕事を両立する「パラレルキャリア」の可能性を掘り下げ、その価値と課題について考えます。
産業界や行政の人々がその経験を生かして専任教員や特任教員として大学での教育・研究・社会連携に関わることはもはや珍しいことではありません。しかし、NPOはじめ市民セクターの人々はまだ限られているように思われます。それでは、NPOでキャリアを積み重ねた人々が大学に深く関わることには、NPOでの活動にとって/大学での仕事にとって、どのような意味が見出せるのでしょうか。
その意味を探究していくとっかかりとして、昨年、シチズンシップ共育企画×龍谷大学の川中大輔と、環境共育事務所カラーズ×広島修道大学の西村仁志によるトークセッションを行いました。企画者の想定を超える大きな反響(!?)を呼び、継続的に考えていく動きへと後押しを得ました。
そこで今年は、大谷大学の赤澤清孝さんをお迎えし、西村・川中の2名がインタビュアーとして、公開インタビューを行うこととなりました。赤澤さんは「きょうと学生ボランティアセンター(後のユースビジョン、現在は解散)」等での活動を経て大学教員へと転身し、現在は教育研究と社会貢献の両立を追求されています。3人それぞれの視点や経験を通じて、NPOと大学の二つのキャリアがどのように連動しているのかを考えていきます。そして、次世代に新しい学びやキャリアの可能性を示せるのかを探っていきします。
社会と教育の架け橋となる「パラレルキャリア」の魅力と課題を、一緒に考えてみませんか?
【日時】2024年12月25日(水)18時30分~21時
(開場:18時15分 / 閉場:21時15分)
【会場】キャンパスプラザ京都 6階 龍谷大学 講習室(京都駅 徒歩5分)
https://www.consortium.or.jp/about-cp-kyoto/access
【参加費】無料(要事前申込)
【対象】本企画にご関心ある方々
–こんな方におすすめ
•NPOでの活動と大学での仕事とのに結びつきに興味がある方
•大学教育やキャリア形成について考えている学生や院生、社会人
•NPOと連携する教育の可能性を探っている研究者や教育者
•NPOスタッフや関係者でキャリアの新たな選択肢を模索している方
【プログラム】
1.オープニング
:趣旨説明と赤澤さんの自己紹介
2.メイントークセッション
:赤澤さんのキャリア背景と転身のきっかけ
:NPOでの経験が大学教育にどのように活かされているか
:大学での経験がNPOでの実践にどのように活かされているか
:パラレルキャリアが社会に与える影響
3.Q&Aセッション
:会場からの質問に赤澤さんが回答
4.クロージング
:赤澤さん・インタビュアーからのまとめとメッセージ
【登壇者】
◎赤澤清孝(大谷大学社会学部准教授)
1974年兵庫県生まれ。立命館大学大学院政策科学研究科修士課程修了。政策科学修士。2000年NPO法人きょうと学生ボランティアセンター(後のユースビジョン。現在は解散)設立、代表就任(〜2021年)。2004年NPO法人きょうとNPOセンター事務局次長(~2007年)。2007年IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]客員研究員(~2010年)。2010年NPO法人edge事務局長(~2013年)。2014年大谷大学文学部専任講師、2016年同大学准教授(現在に至る)。
大谷大学 教員紹介
◎川中大輔(シチズンシップ共育企画 代表/龍谷大学社会学部准教授)
1980年,神戸生まれ。青少年支援や環境問題、まちづくり、社会事業家支援のNPOで活動し、2003年にシチズンシップ共育企画を設立。現在,同代表。全国各地で市民教育や若者の参加、協働まちづくりやNPOマネジメントのワークショップを担当している。(財)大学コンソーシアム京都研究主幹、立命館大学共通教育推進機構嘱託講師(サービスラーニング担当)などを経て、2017年から龍谷大学社会学部専任教員。2019年度から2023年度、放送大学客員准教授。こども家庭庁こども家庭審議会専門委員なども務める。
シチズンシップ共育企画
龍谷大学 教員紹介 川中大輔
◎西村仁志(環境共育事務所カラーズ 代表/広島修道大学人間環境学部教授)
京都YMCA職員として勤務ののち、1993年に環境教育の専門事務所「環境共育事務所カラーズ」を開業。市民、行政、企業等の環境教育、パートナーシップの現場の企画とプロデュースに携わる。同志社大学大学院総合政策科学研究科准教授(2006-2011)を経て、2012年より広島修道大学人間環境学部に勤務。
環境共育事務所カラーズ
広島修道大学 西村仁志研究室
【申込方法】
事前申し込みが必要です。以下のURLからお申し込みください
https://forms.gle/fTKkmqBppj46DQj26
【主催】シチズンシップ共育企画・環境共育事務所カラーズ
【協力】龍谷大学社会学部 川中研究室
共編著『社会デザインをひらく』刊行
中村陽一監修/志塚昌紀・川中大輔・菅井薫・川田虎男編著『社会デザインをひらく』(ミネルヴァ書房, 2024年11月)がこの度、刊行されました。編者の一人として企画・編集に関わると同時に、「社会的排除に抗うコミュニティ・デザイン–居場所とエンパワメント」「多文化共生と市民教育–社会意識と自己認識の脱植民地化に向けて」(いずれも単独執筆)「おわりに」(志塚昌紀さん・菅井薫さんとの共同執筆)を担当いたしました。詳しくミネルヴァ書房ウェブサイトの紹介ページをご覧ください。
共編著『コミュニティ・デザイン新論』刊行
新川達郎監修/川中大輔・山口洋典・弘本由香里編『コミュニティ・デザイン新論』(さいはて社, 2024年9月)がこの度、刊行されました。編者の一人として企画・編集に関わると同時に、「共生社会を先導する市民性とは?」(単独執筆)、「対談–難問に向き合っていくために」(新川達郎さん・弘本由香里さんとの共同執筆)、「あとがき」(山口洋典さんとの共同執筆)を担当いたしました。詳しくはさいはて社ウェブサイトの紹介ページをご覧ください。
【参加者募集】「『したいことがよく分からないんですけど…』という声にどう応えるか?」 (教育ファシリテーター講座2024 )
シチズンシップ共育企画が主催する教育ファシリテーター講座、今年度のテーマは「『したいことがよく分からないんですけど…』という声にどう応えるか?」てす。
学びの形が変わる中、学校教育の場でも「何をしたいの?」という問いかけが頻繁に若者に向けられるようになっています。その中で、「えっ…そう言われても…」と戸惑う若者が少なくありません。中には「したいこと」が曖昧としていても、「それっぽい」ことを言ってすり抜けて進学/就職してしまうことも見受けられます。しかし、その場合、その先の場(それは大学であったり仕事場であったり)で「結局、何したいの?」という問いかけを再び突きつけられて行き詰まっている姿に接することもあります。
これは誰しもが避けられないことですが、「何かすること」に追われて、「自分をじっくりとふりかえる機会」を設けられていないことも一因でしょう。それでは「自分をじっくりとふりかえる機会」はどのように設ければいいのでしょう。ここを今年度の教育ファシリテーター講座では主に扱います。
もちろん、すべての行為の前に明確な動機や意思、問題意識があることを前提としていること自体に問題もあり、そのことをどう織り込んでいくのかも考える必要があります。
このテーマを掲げたときに、真っ先に思い浮かんだゲストが西川正さんでした。西川さんだったら「したいことがよく分からないんですけど…」とつぶやく若者とどのように対話を進めるんだろう?これはお招きして聞いてみないと!と思った次第です。
西川さんの関わりにも学びつつ,「自分をじっくりとふりかえる機会」をどう設けていけばいいのか、参加者のみなさんと一緒に見出していければと考えています。
ご関心ある方々のご参加をお待ちしています。
【日時】2024年10月14日(月・祝)10時~17時
(開場:9時45分 / 閉場:17時30分)
【場所】龍谷大学 大阪梅田キャンパス(JR大阪駅 徒歩約4分)
https://www.ryukoku.ac.jp/about/campus_traffic/traffic/t_osaka.html
【プログラム】
09:45 開場
10:00 オープニング
10:30 セッション1「『したいこと』をどう見いだしていったか?」
「したいこと」が浮かび上がってきたり、見えにくくなったりしたのは、どのような時だったのか、その時々にどのような関わりが助けになったか、自らの人生をふりかえりつつ、テーマへの導入を進めます。
12:00 昼食休憩
13:00 セッション2「自分をじっくり振り返る機会をどうつくるか?」
セッション1での気づきやゲストからの話題提供も踏まえつつ、参加者同士の対話を通じて、自己内省を促す関わりについて実践的に考えていきます。
15:30 セッション3「みんなの疑問にみんなで答える」
ここまでのセッションを踏まえて、湧き出てきた疑問/課題について参加者全員で意見交換を進めていきます。
16:30 ふりかえり
16:50 クロージング
17:00 閉会,アフタートーク(任意参加)
17:30 閉場
*適宜休憩を含みます。時間はあくまで目安です。
【登壇者】
■ゲスト:
○西川 正さん(NPO法人ハンズオン!埼玉 副代表理事 / 真庭市立中央図書館 館長)
「人生せっかくだから」が座右の銘。保育所・学童保育保護者会、小学校PTA、民生委員など地元でさまざまな活動にかかわるなかで、「めんどくさい」地域の魅力に気づく。「あそび/遊ぶ」をキーワードに人の暮らし方、人の関わり方を考察中。大妻女子大学、立教大学等で非常勤講師。NPO法人あげお学童クラブの会相談役。生協パルシステム埼玉理事。日本コミュニティ七輪学会会長。カブリモノ研究家ほか。元恵泉女学園大学特任准教授。2022年4月より岡山県真庭市立中央図書館館長を兼務。著書に『あそびの生まれる場所~「お客様」時代の公共マネジメント』(ころから, 2017年)、『あそびの生まれる時〜「お客様」時代の地域コーディネーション』(ころから, 2023年)。
■ファシリテーター:
○ 川中大輔(シチズンシップ共育企画 代表 / 龍谷大学 准教授)
1980年神戸生まれ。青少年支援や環境問題、まちづくり、社会事業家支援のNPOで活動し、2003年にシチズンシップ共育企画を設立。全国各地で市民教育や若者参画、協働まちづくりやNPOマネジメントのワークショップを担当している。2017年から龍谷大学社会学部専任教員。現在はNPO法人わかもののまち理事なども務める。共編著に『コミュニティ・デザイン新論』(さいはて社, 2024年)、『社会デザインをひらく』(ミネルヴァ書房, 2024年近刊)、『多文化共生のためのシティズンシップ教育実践ハンドブック』(明石書店, 2020年)ほか。
【定員】20名(先着順)
【参加費】
○一般 5,000円
○学生・院生 1,000円
○高校生以下 無料
○龍谷大学関係者 無料
【申し込み】
以下のウェブサイトよりお申込みください。
https://edufacil2024.peatix.com
※できる限り、10月10日(木)正午までにお申込ください。
締切後の申込みにつきましては,以下問合せ先にご連絡ください。
<問合せ先>info■active-citizen.jp(■を@に変えてください)
【主催】シチズンシップ共育企画
【協力】龍谷大学 川中研究室
<個人情報の取扱い>
記載の個人情報は本セミナーの実施および今後の催事実施においてシチズンシップ共育企画が利用します。個人情報は目的の範囲内で利用するとともに適切な方法で管理し、法令上の特段の事情がない限り、本人の同意なしに第三者への目的外での開示・提供はいたしません。
【参加者募集】「ガバナンスの危機と市民力の発揮 −ポートランド州立大学『JaLoGoMa 2024』参加報告会−」(シティズンシップ教育セミナー2024 )
2024年7月28日〜8月2日にかけて、ポートランド州立大学が主催するまちづくり人材育成プログラム「JaLoGoMa(Japanese Local Governance and Management Training Program)」に参加してきました。
今年度のテーマは「ガバナンス・クライシス」。地域の協治が十全に機能しないことで噴出する諸課題に対して、NPOや市民グループ・行政機関はどのように立ち向かい、また、統治機構改革をどのように進めようとしているのか。こうした問いを基軸に据えつつ、6日間で数多くの現場を訪れたり、現地の方々や他の参加者と意見交換の時間を持ったりしました。
その中で私が印象的だったことの一つは、市民の政治的主導力でした。また、市民活動のモードについても考えさせられることになりました。そして、「市民ができること/すべきことはまだまだあるなぁ」との励ましを得ることに。
もちろん、日本とは異なるアメリカの社会的文脈の上に成り立っていた動きで、単純な当てはめや比較はできません。しかし、市民主体のまちづくりを推進していく上で、示唆に富むもののように思われました。
今回の報告会では、市民のポテンシャルを発揮する実践とはいかなるものか?そうした実践を創出する市民が育つ成長/学習機会をどのように整えていけばいいのか?といった事柄についても参加者の方々と共に考えていければと思っています。
ご関心ある方のご参加をお待ちしています。
【日 時】2024年9月26日(木)19時00分〜21時00分
(18時45分開場/21時15分閉場)
【開催形態】オンライン:Zoomミーティングルームにて
(参加申込いただいた方には後日リンク先をお送りします)
【報 告 者】
川中大輔(シチズンシップ共育企画 代表 / 龍谷大学 准教授)
1980年神戸生まれ。青少年支援や環境問題、まちづくり、社会事業家支援のNPOで活動し、2003年にシチズンシップ共育企画を設立。全国各地で市民教育や若者参画、協働まちづくりやNPOマネジメントのワークショップを担当している。立命館大学共通教育推進機構嘱託講師(サービスラーニング担当)等を経て、2017年から龍谷大学社会学部専任教員。現在はNPO法人神戸まちづくり研究所理事なども務める。共編著に『コミュニティ・デザイン新論』(さいはて社, 2024年近刊)ほか。
【プログラム】
18:45 zoom開室
19:00 オープニング・チェックイン
19:15 セッション1「JaLoGoMa 2024で何を学んだのか?」(話題提供)
20:05 質疑応答
20:25 セッション2「JaLoGoMa 2024からの学びをどう活かすか?」(意見交換)
20:50 チェックアウト・クロージング
21:00 閉会,アフタートーク(任意参加)
21:15 zoom閉室
※時間はあくまで目安です。
【定員】30名程度(先着順)
【対象】テーマに関心ある方はどなたでも歓迎いたします!
【参加費】無料
【申込】
以下のウェブサイトよりお申込みください。
https://forms.gle/91BDeGqFPNKMiy7M8
※申し込み締め切りは9月24日(火)18時までです。
締切後の申込みにつきましては,以下問合せ先にご連絡ください。
<問合せ先>info■active-citizen.jp(■を@に変えてください)
【主催】シチズンシップ共育企画
<個人情報の取扱い>
記載の個人情報は本セミナーの実施および今後の催事実施においてシチズンシップ共育企画が利用します。個人情報は目的の範囲内で利用するとともに適切な方法で管理し、法令上の特段の事情がない限り、本人の同意なしに第三者への目的外での開示・提供はいたしません。
新年のご挨拶「無力さを感じるからこそ関心を抱く。」
明けましておめでとうございます。 2024年の年頭に当たり,謹んで新年のご挨拶を申しあげます。
心を痛めるこの事態はもはや止められない/変えられないのではないか。そのような無力感に襲われることがあります。多くの人々から発せられる願い/訴えが踏みにじられたり蔑ろにされたりすることが続けば,「私」が関心を持っても意味がないのではないかと思ってしまうことも当然のことです。無力感は無関心をもたらします。
しかし,無力に感じられるからこそ,せめて関心を抱き続け,凄惨な事態から目を逸らさず,小さくされている人々の側に立って思いを寄せていくことが求められているのではないでしょうか。当事者の苦悶/悲哀/憤怒を想像することは不可能に近く,途方に暮れるかもしれません。それ故,関心を保つためには,心を開いて声に耳を傾け,知ろうとする努力を要します。
問題の放置につながる無関心と忘却は暴力に他なりません。関心を持って学び,学ぶことで関心を支え,「私」が関与する余地を見出し,何かしらの行動を起こしていく。この行動は成果を出すとは限らないでしょう。しかし,その姿勢こそ人間らしく生きることを現すのではないかと考えます。人間性が磨かれ,市民としての成長/成熟が実現する学びのデザインを探ってまいります。
2024年 元旦
シチズンシップ共育企画
代表 川中 大輔
【参加者募集】「NPOと大学教員のパラレルキャリアを考える」
環境共育事務所カラーズ 開業30周年・シチズンシップ共育企画 設立20周年
記念トークセッション
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「大学の教員になって,どう? 何か変わった?」
2017年に僕(川中)が龍谷大学に専任講師として着任した際,何度もいろんな人からされた質問の一つです。「うーん,まぁ変わった…かなぁ!? どうやろね」と,その当時は返していました。これは照れ隠しでもなんでもなく,大学での仕事が本格化/多角化しておらず,また,NPOの仕事も余り変わりなく継続していたので,どう答えていいのかが分からなかったのです。
それから時が経ち,大学に籍を置いて7年目です。今なら冒頭の質問に対して,一定のまとまった言葉で返すことができそうです。NPOと大学の二つの仕事をすること,双方にどのような意味/影響があるのか,どのような面白さや難しさがあるのか。自分の中でも少しずつ感じとり始めています。
ここで似たようなキャリアを歩んでいる「先輩」はどう考えているのだろうか,話を聴いてみたくなりました。そこで真っ先に思い浮かんだ「先輩」は西村仁志さんでした。
僕は学生の頃,仁志さんが環境共育事務所カラーズで出していたメールマガジン「役に立たないフリーランスの話」に影響されて,2001年にフリーのファシリテーターとしての活動を始め,2003年のシチズンシップ共育企画の設立へと進んでいきました。カラーズが開業して10年後のことです。その仁志さんは2006年に大学教員へと転身します。約10年後の2017年に僕も大学教員になりました。
そこで,僕にとってはいつも少し先を行く仁志さんと一緒に,NPOと大学教員のパラレルキャリアで進むことの意味について考えてみるトークセッションを企画しました。
折しも2023年は環境共育事務所カラーズの開業30周年,シチズンシップ共育企画の設立20周年の節目でもあり,「これまで」を振り返りながら,それぞれの「これから」を展望する機会にもしたいと思います。
このように個人的な思いからスタートした企画ですが,見渡してみるとNPOと大学教員のパラレルキャリアを歩んでいる人は決して少なくありません。NPOでもキャリアを積んだ人物が大学でも仕事を展開していくことの価値を明らかとすることは社会的にも意味があることのようにも思われます。
仁志さんの今回の企画に対する思いはこちらをご覧ください。
https://colorsjapan.com/2023/10/03/30a/
「よぉわからへんけど,おもろそうやな」とか,「仁志さんの話(ついでに川中の話も),聴いてみたい」とか,関心を寄せてくださる方のご参加をお待ちしております。よろしくお願いいたします。
【日時】2023年12月27日(水)18時30分~21時
(開場:18時15分 / 閉場:21時15分)
【会場】キャンパスプラザ京都 6階 龍谷大学 講習室(京都駅 徒歩5分)
https://www.consortium.or.jp/about-cp-kyoto/access
【登壇者】
◎西村仁志さん(環境共育事務所カラーズ 代表/広島修道大学 教授)
京都YMCA職員として勤務ののち、1993年に環境教育の専門事務所「環境共育事務所カラーズ」を開業。市民、行政、企業等の環境教育、パートナーシップの現場の企画とプロデュースに携わる。同志社大学大学院総合政策科学研究科准教授(2006-2011年度)を経て、2012年より広島修道大学人間環境学部に勤務。
環境共育事務所カラーズ
広島修道大学 教員紹介 西村仁志
◎川中大輔(シチズンシップ共育企画 代表 / 龍谷大学 准教授)
1980年,神戸生まれ。青少年支援や環境問題、まちづくり、社会事業家支援のNPOで活動し、2003年にシチズンシップ共育企画を設立。現在,同代表。全国各地で市民教育や若者の参加、協働まちづくりやNPOマネジメントのワークショップを担当している。(財)大学コンソーシアム京都研究主幹、立命館大学嘱託講師(サービスラーニング担当)などを経て、2017年から龍谷大学社会学部専任教員。2019年から放送大学客員准教授。
シチズンシップ共育企画
龍谷大学 教員紹介 川中大輔
【プログラム】
18:15 開場
18:30 オープニング・チェックイン
18:45 セッション1「二つの仕事をする,ということ(その壱)」
スピーカー:西村仁志さん
インタビュアー:川中大輔
19:35 休憩
19:45 セッション2「二つの仕事をする,ということ(その弐)」
スピーカー:川中大輔
インタビュアー:西村仁志さん
20:35 セッション3「NPOの視点から大学を捉えなおす」
二人の話をふりかえってみて,
NPOと大学の二つの経験の交点の「面白さ/難しさ」を探る
21:00 閉会
21:15 閉場
【定 員】15名(先着順)
【対 象】テーマに関心ある方はどなたでも歓迎いたします!
西村仁志さんに会いたい方もぜひ。
【参加費】無料
【申込み】以下のウェブサイトよりお申込みください。
https://forms.gle/h3jepzK5ZNiDp9Go8
※申し込み締め切りは12月26日(火)18時までです。
締切後の申込みにつきましては,問合せ先にご連絡ください。
【共催】環境共育事務所カラーズ,シチズンシップ共育企画
【協力】龍谷大学 川中研究室
<個人情報の取扱い>
記載の個人情報は本セミナーの実施および今後の催事実施においてシチズンシップ共育企画及び環境共育事務所カラーズが利用します。個人情報は目的の範囲内で利用するとともに適切な方法で管理し、法令上の特段の事情がない限り、本人の同意なしに第三者への目的外での開示・提供はいたしません。
【参加者募集】「改めて『教育』は誰のものか?を問う」(シティズンシップ教育セミナー2023)
社会の変化を受けて,教育はこう変わらねばならない。そうした議論は各所でなされ続けていますが,従来の教育が「時代遅れ」であるという感覚/認識が共有される中,教育論議の熱は常に高い状態であるように見えています。
そのような議論から,新たな方向性が見出されたり,具体的なカリキュラムが新たしくされていったりし,実際,教育現場を変化させることになっています。多角的かつ俯瞰的に変化の潮流を捉え,望ましい未来に向けての動きをどう創出するか,予測される危機的事態にどう備えるかといったことを考えて,教育のあり方を提示することは,確かに大人の責任の一つでしょう。
しかし,学び/育ちの当事者である子ども・若者の声はそうした議論の場でどれほど聴かれているでしょうか。また,議論の場を共にできているでしょうか。こども基本法の施行を受け,今年6月に新たに決定された国の「教育振興基本計画」では,教育についての計画の策定やフォローアップの際に,子ども・若者の意見も聴取して反映させる必要性が地方自治体の教育委員会に対しても示されました。
子ども・若者と「教育」のあり方を考える場を共にすることは,これからの新たなスタンダードとなっていきそうです。でも,具体像は見えてこないところもあります。具体化を詰めていこうとすると,どういう人々がその議論の場にいるべきなのか,そして,その人々がどの段階で,どのような形で議論に関与するべきなのか,といったことを決めていかねばなりません。
これらのことを決めることは,改めて「教育」とは誰のものかを問い直すことにもつながってくるのではないでしょうか。本セミナーの問題意識の背景はここにありますが,こうしたテーマをふわっと扱ってしまうと,抽象的でつかみどころのない議論に終始してしまう恐れもあります。
そこで今回は,子ども・若者と大人とが対等な関係を目指して協働していく,という方向の実践にまず絞り,そこから示唆を得るべく,箕面こどもの森学園を運営されているNPO法人コクレオの森の藤田さんをゲストにお招きします。
現場には答えの手がかりもあるでしょうが,向き合うべき問いの手がかりもあるでしょう。藤田さんのお話からどのような手がかりを得られるのか,一緒に探っていければと思います。
様々な方々と学びの場を共にできることを楽しみにしています。
よろしくお願いいたします。
【日時】2023年10月29日(日)9時30分〜12時
(開場:9時15分 / 閉場:12時30分)
【形式】Zoomで開催いたします。
【登壇者】
◎ゲスト:
藤田美保さん(認定NPO法人コクレオの森 理事長)
[略歴]『窓きわのトットちゃん』を読み、自由な学校に憧れる。小学校教諭を退職後、大学院にて教育学を学び、市民による学校づくりを目指す。2004 年に「わくわく子ども学校」(現:箕面こどもの森学園)常勤スタッフ、2009年から箕面こどもの森学園校長。2022年から認定NPO法人コクレオの森代表理事。現在は、ESDの学校がある持続可能なまちづくりを目指す。共著「こんな学校あったらいいな~小さな学校の大きな挑戦~」(2013年)。「みんなでつくるミライの学校~21世紀の学びのカタチ~」(2019年)。
https://cokreono-mori.com
◎コメンテーター:
古田雄一さん(筑波大学 助教)
https://researchmap.jp/yuichifuruta/
◎ファシリテーター:
川中大輔(シチズンシップ共育企画 代表 / 龍谷大学 准教授)
【プログラム】
09:15 zoom開室
09:30 オープニング・チェックイン
09:50 セッション1「こどもと共に学びをつくるとは?」
:ゲストによる話題提供(藤田さん)
:話題提供に対するコメント(古田さん)
:質疑応答
10:50 休憩
11:00 セッション2「実践からどのような手がかりが得られるか?」
:セッション1を受けてのワークショップ
:ふりかえり
11:50 クロージング
12:00 閉会,アフタートーク(任意参加)
12:30 zoom閉室
*適宜休憩を含みます。
【定員】30名程度(先着順)
【対象】テーマに関心ある方はどなたでも歓迎いたします!
【参加費】
○一般:500円
○学生・院生・高校生:無料
【申し込み】
以下のウェブサイトよりお申込みください。
https://poccoce23.peatix.com/
※申し込み締め切りは10月28日(土)18時でです。
締切後の申込みにつきましては,問合せ先にご連絡ください。
【主催】シチズンシップ共育企画
<個人情報の取扱い>
記載の個人情報は本セミナーの実施および今後の催事実施においてシチズンシップ共育企画が利用します。個人情報は目的の範囲内で利用するとともに適切な方法で管理し、法令上の特段の事情がない限り、本人の同意なしに第三者への目的外での開示・提供はいたしません。