生と死の共育ワークショップ vol.11 「感染症から考える死と生 〜コロナからの問いにどう応えるか?〜」

新型コロナウイルス感染症は私たちの生活/社会を大きく揺さぶり,その中で戸惑ったり悩んだり,不安に襲われてたりして,改めて「生きること/死ぬこと」についても考えさせられることとなりました。暮らし方や働き方にも大きな変化が訪れて,他者と交わったり関わったりすることについても見つめ直さざるを得ませんでした。

しかし,「喉元過ぎれば熱さを忘れる」ということではないですが,「新しい生活様式」が日常化してくる中で,次第にコロナ禍の日々に感じたことや考えたことが 意識の中で薄らいでいるところもあるのではないでしょうか。

緊急事態宣言が解除されて行動制限が緩和されているとは言え,過去とはなりきっていない,いや,現在進行形である今だからこそコロナ禍で炙り出された思いや問いについて掘り起こせることや,語り合えることがあるでしょう。

当然のことながら,まだまだ生々しいところもあって,整った言葉やまとまった言葉にはならないことも少なくないでしょう。だからこそ,膝を突き合わせて語り,手探りの時間を共にすることに意味があるでしょう。

関心のある方のご参加をお待ちしています。

■日時:2021年11月7日(日)10時〜17時(開場:9時45分)
■会場:清光山 西正寺(尼崎市上坂部3丁目36番8号)(最寄:JR塚口駅徒歩10分)
https://www.facebook.com/seikouzan/
*新型コロナウイルス感染症の感染状況によってはオンライン開催となる場合がございます。

■プログラム:
09:45 開場
10:00 オープニング
10:30
セッション1「コロナからわたしへの問いかけ」
コロナ禍の中で一人ひとりがどのようなこと感じたり気づいたり考えたりしたのかを分かち合いながら,コロナ禍から私たちへの問いかけを明るみに出していきます。

12:00 昼食休憩(各自でおとりください)
13:00
セッション2「わたしから問いかけへの応答」
セッション1で共有されたコロナ禍からの問いかけに対して共に考えを深めていきます。

セッション3「コロナから考える生と死」
2つのセッションのふりかえりをしながら,自由に語り合います。

16:30 クロージング
17:00 終了

■ホスト:
○中平了悟さん(浄土真宗本願寺派 清光山西正寺 住職)
1977年、尼崎市出身。大学院で仏教思想を研究。2004年から10年間、浄土真宗本願寺派総合研究所(研究員)に勤務し、仏教思想の研究と併せて、宗教思想と社会との関わり、仏教教団と社会との関わりに関心をむける。2015年~2018年龍谷大学大学院実践真宗学研究科実習助手として、公共領域で活躍できる宗教者の養成プログラムに関わる。西正寺では、地域に向けた活動として2012年から「西正寺寄席」、2016年からは、「テラからはじまるこれからのハナシ。」、「カリー寺」等を開催する。近年は尼崎地域での地域活動に多く関わる。僧侶としても、研究者としても、地域社会における寺院の活動の可能性を模索している。

○青木将幸さん(青木将幸ファシリテーター事務所 代表)
1976年生まれ、熊野出身。2003年、日本初の会議ファシリテーション専門事務所を設立。家族会議から国際会議まで、あらゆるジャンルの会議ファシリテーションを年間100回のペースで請け負ってきた。が、コロナの影響で、すっかりリアル会議の依頼はキャンセルに。2020年4月1日に「オンライン会議ファシリテーター」として出直すことを決意。すでに100回を超えるオンライン会議のファシリテーションを請け負いつつ、企業・行政・NPO・学校・生協・地域組織などでオンライン会議の導入支援を行っている。 子どものころから「お坊さんか仙人になりたい」と思っていたので、お寺に行けるのは喜び。

○川中大輔(シチズンシップ共育企画 代表)
1980年、神戸生まれ。1998年から野外教育や不登校児童支援、環境問題、まちづくり、社会事業家支援のNPOで活動。2001年からファシリテーターとしての仕事を始め、2003年にシチズンシップ共育企画を設立。市民教育や協働まちづくり、NPOマネジメントのワークショップを各地で担当している。祖母や知人の死別などを機に、2007年より「生と死の共育ワークショップ」を実施。「わたし」を大切にしながら、社会との関わりをつくっていく「生きかた」を実現するため、「まなぶ・はたらく・しぬ」という行為と社会との関係に関心を持っている。2017年からは龍谷大学社会学部専任教員。キリスト教社会福祉の実践支援にも取り組んでいる。

*今回の場を設けて,みなさんをお迎えする三人で公開企画会議を行いました。その模様をYouTubeで限定公開していますので,ご参考までにご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=Qn3nukA9_s4

■定員:15名程度(先着順)
■対象:テーマに関心があれば、どなたでも参加できます。
年齢やお仕事、人生経験などは問いません。
■参加費:一般 5,000円,大学生以下 無料
(オンライン実施の場合は無料)

■主催:シチズンシップ共育企画
お問い合わせにつきましては、メールにてお気軽にどうぞ。
info■active-citizen.jp(■を@に置き換えてください)

■共催:青木将幸ファシリテーター事務所
■協力:浄土真宗本願寺派 清光山 西正寺

<個人情報の取扱い>
記載の個人情報は本セミナーの実施および今後の催事実施においてシチズンシップ共育企画及び青木将幸ファシリテーター事務所が利用します。個人情報は目的の範囲内で利用するとともに適切な方法で管理し、法令上の特段の事情がない限り、本人の同意なしに第三者への目的外での開示・提供はいたしません。

<開催予告>シティズンシップ教育セミナー2021「多文化共生のためのシティズンシップ教育実践を考える」

「シティズンシップ教育セミナー2021」を以下の通り開催することが決定いたしました。正式な募集は今後改めてお知らせいたしますが,ご関心ある方におかれましては,ご予定いただければ,幸いです。

■テーマ:多文化共生のためのシティズンシップ教育実践を考える
■日 時:2021年12月18日(土)13時30分〜15時30分
■場 所:オンライン開催
■ゲスト:窪田勉さん(兵庫県立兵庫高等学校教諭),橋本みゆきさん(神奈川県立保健福祉大学非常勤講師),松田ヒロ子さん(神戸学院大学准教授)
■ファシリテーター:川中大輔(シチズンシップ共育企画代表,龍谷大学准教授)
■申 込:事前申込み要(定員なし)
■主 催:シチズンシップ共育企画

【参加者募集】『主体的な探究』というけれど,その主体性の中身って?(教育ファシリテーター講座2021 第2弾)

 学習者の興味関心や問題意識に基づく形で粘り強く探究的な学びを進めてもらい!…けれども,実際のところでは「やらなアカンらしいから,やりやすいテーマで…」「ある程度カタチになったし,こんなもんでええんちゃう」と作業的にこなす感じになってしまう…ということも少なくないようです。

 また,探究的な学びに取り組む過程で,それぞれの興味関心や問題意識が掘り起こされたり浮き彫りになったり,また,立ち上がっていって欲しいなと思いつつも,例えば,SDGsや地域への愛着形成など,教育者が設定したお題が先行し続け,「きっとこういうことをやればいいんでしょ」と大人に忖度する感じになってしまう…ということも少なくないようです。

 「主体的な学び」という時に,どのような主体性を私たちはイメージしているでしょうか。どのような主体性を私たちはイメージするべきなのでしょうか。

 自分をつかんで離さないテーマを見いだし,何なら「勝手にやっちゃう」ほど主体的に探究活動に取り組むことを促したり支えたりする(逆に,阻んだり崩したりする)環境や働きかけとはどのようなものなのでしょうか。

 今回のワークショップでは,こうした問いを囲んで,「こういうことではないかなぁ」「こうすればいいのかなぁ」「こうしたらアカンってことかなぁ」といった考えを膨らませあう,そのような場としたいと考えています。

 多くの方々のご参加を心からお待ちしております。よろしくお願いいたします。

【日時】2021年8月22日(日)13時〜17時
    (開場:12時45分 / 閉場:17時30分)
【形式】Zoomで開催いたします。
    参加申し込みされた方には後日リンクをお送りします。

【プログラム】
 12:45 zoom開室
 13:00 オープニング(問題提起)
 13:30 話題提供「主体的な学びに向けて,教師と生徒はどう関係すべきか?」
      ゲスト:大前吉史さん(兵庫県立長田高等学校主幹教諭)
      3つの高校における「総合的な学習(探究)の時間」で
      探究課題の設定をどのように進めてこられたのか,
      現場の実践から示唆を得ることといたします。

 14:00 セッション1「主体性って何だろう?」
      現状多くの場でどのような主体性を育むことになっているのか,
      本当はどのような主体性を育んでいきたいのか,
      参加者のみなさんの考えを共有していきます。
 14:50 休憩
 15:00 セッション1の共有

 15:10 セッション2「主体的な学びを促すもの/阻むものは?」 
      主体的な学びを実現するための環境や関わりについて,
      参加者のみなさんで具体的に考えていきます。
 16:10 休憩
 16:20 セッション2の共有

 16:40 ふりかえり
 17:00 閉会,アフタートーク(任意参加)
 17:30 zoom閉室

【登壇者】
 ・ゲスト:
   大前吉史さん(兵庫県立長田高等学校主幹教諭)
 ・ファシリテーター:
   川中大輔(シチズンシップ共育企画代表・龍谷大学准教授)

【定員】20名程度
【参加費】無料

【申し込み】
 以下のGoogleフォームよりお申込みください。
 https://forms.gle/1BWvxbLA5tDbtaqp6
 ※申し込み締め切りは8月21日(金)18時までです。
  締切後の申込みにつきましては,以下問合せ先にご連絡ください。

【主催】シチズンシップ共育企画
【問合せ先】こちらよりお問合せください。

生と死の共育ワークショップvol.11 「感染症から考える死と生」公開企画ミーティング

■日時:2021年8月5日(木)19時~20時頃
■スピーカー:
 青木将幸さん(青木将幸ファシリテーター事務所代表)
 中平了悟さん(浄土真宗本願寺派 清光山西正寺住職)
 川中大輔(シチズンシップ共育企画代表・龍谷大学准教授)
■観覧方法:
 以下リンクよりYouTubeライブ配信を行います。
 https://youtu.be/Qn3nukA9_s4

 シチズンシップ共育企画では,青木将幸ファシリテーター事務所と共同で「生と死の共育ワークショップ」を2007年から定期的に開催してきました。現在「感染症と死生観」をキーワードに企画を検討し始めているのですが,どのように煮詰めていくかをやりとりしている内に,このプロセスをオープンにしてみようか,という話になりました。
 そこで,この間,本ワークショップの実施に多大なご協力をいただいている中平了悟さん(西正寺住職)も交えての企画ミーティングをオンライン公開いたします。「こうなのかな,どうなのかな…」といったやりとりにはなるでしょうが,「なんかおもしろそうやな」と思われる方,気軽にご視聴ください。

【参加者募集】探究学習を『ほんまもん』にするには?(教育ファシリテーター講座2021)

 新しい学習指導要領が実施されることに伴って,「探究(型の学習)」という言葉を見聞きすることが急増しています。具体的な教育実践や,そのプロセスやツールの紹介も様々なメディアでなされています。探究型の学習の広がりや深まりは,学ぶことの喜びを実感する機会を増やしたり,学ぶことと生きることをより強く結びつけたりしていく可能性を持っているものでしょう。知的好奇心に火がつく機会が増えることも期待しうるものです。

 しかし,現場に身を置き,授業という枠の中で実際に「探究(型の学習)」を進めようとすると,学習者の探究心について,その自由をどこまで受け容れるのか/どのように受け容れるのかなど,学習者の扱う「問い」に対して適切な探究の仕方を示せるのかなど,様々な課題が出てきます。カタチは整っているけれども,「探究っぽい」学びに止まってしまうということも懸念されます。また,子ども・若者に「探究しよう!」と促しているが,果たして自分は本当に探究することの意味を理解し,その楽しさを感じられているのか,探究の仕方を実践的に用いているのかといった問いも出てくることでしょう。

 そこで,今回のワークショップでは,学校における探究学習を「ほんまもん」にしていくために,どのような課題があるのか,そのことを共に洗い出しつつ,具体的な対応についても考えを巡らしてみることといたします。ファシリテーターとしての教員,という考え方はすっかり定着してきておりますが,このことの「難しさ」と向き合うことが今改めて求められているのではないでしょうか。

 多くの方々と共に考えをあたためることを楽しみにしています。みなさまのご参加を心からお待ちしております。

【日時】2021年5月1日(土)13時〜17時
    (開場:12時45分 / 閉場:17時30分)
【形式】Zoomで開催いたします。
     参加申し込みされた方には後日リンクをお送りします。

【プログラム】
 12:45 zoom開室
 13:00 オープニング
 13:20 問題提起「探究学習が『ほんまもん』になるには?」
      三浦一郎さん(姫路市立小学校教諭)

 13:40 セッション1「『ほんまもん』の探究学習に向けての課題は?」
      探究学習を実現していくにあたっての課題を
      参加者のみなさんと出し合っていきます。
 14:40 休憩
 14:50 セッション1の共有
 15:00 セッション2「探究学習を『ほんまもん』にするには?」
      セッション1で出された課題に基づいて
      論点別グループに分かれて対策を考えていきます。
 16:00 休憩
 16:10 セッション2の共有
 16:30 ふりかえり
 17:00 閉会,アフタートーク(任意参加)
 17:30 zoom閉室

 〈ファシリテーター〉
  川中大輔(シチズンシップ共育企画代表・龍谷大学社会学部准教授)

【定員】20名程度
【参加費】無料
【申し込み】
 以下のGoogleフォームよりお申込みください。
 https://forms.gle/JfjbLLApfCk1LnHd8
 ※申し込み締め切りは4月30日(金)18時までです。
  締切後の申込みにつきましては,以下問合せ先にご連絡ください。

【主催】シチズンシップ共育企画
【問合せ先】E-mail: info@active-citizen.jp(担当:川中)

新年のご挨拶「『小さな変化』に喜びを見いだす」

明けましておめでとうございます。2021年の年頭に当たり,謹んで新年のご挨拶を申しあげます。

 「これまで」からの大きな変化や厳しい苦境からの回復が求められているにも拘わらず,その進展が遅い時,私たちは実現への不安を抱いたり,焦りや苛立ちを感じたりしてしまいます。自分たちの努力は実るのだろうか。このスピード感では意味がないのではないか。こうした疑念から投げやりな気持ちになったり,無力感に襲われたりすることもあるでしょう。他者に攻撃的になってしまうこともあるかもしれません。
 当然ながら,重量級の課題を達成するには時間を要します。大きな変化が求められていればこそ,私たちは「小さな変化」に目を注ぎ,そのことを共に喜ぶことが必要となってくるのではないでしょうか。取るに足らないように思える動きも含めて,「小さな変化」から明日への励みを得ることで,足取りにも力強さが出てくることでしょう。千里の道も一歩から。目指すべき地点をキチンと見据え,長い道のりへの歩みを前に進めていきたいものです。
 新しい社会をつくりだすビジョンに通じる「小さな変化」を着実に積み上げていける,ある意味で「あきらめの悪い」市民が育つ学びのデザインを2021年は探ってまいります。
 本年も多くの方々と共に歩んでいけることを願っています。引き続き,ご支援/ご指導賜りますよう、宜しくお願い申しあげます。

2021年 元旦
シチズンシップ共育企画
代表 川中 大輔

COVID-19パンデミックの影響を受けてのオンライン化対応

 COVID-19パンデミックの影響が広がり,また長期化する中,身体的距離を保ちにくいワークショップや講座・研修等が延期/中止されていっています。感染拡大を抑えるためにも,平静を取り戻すまでは止むを得ない判断でしょう。こうした中,オンライン化での対応を模索されている方々もおられます。当会ではオンライン化された場への講師派遣も応じています。開催される企画の目的・目標に沿って,どのような形態が望ましいのかを一緒に考えることもできます。ご希望の方は,本サイトの「Contuct us」からお問い合わせください。

 もちろん,オンライン対応が難しい学びや参加の場があります。そのような環境下では,場が整えられるまで,思考の時を持ちたいものです。新型コロナウィルスがなぜ生じたのか,なぜ大きな被害をもたらしたのか,今般の脅威の中で人間のどのような美しさ/醜さがあぶり出されたのか。こうした問いを立てて,地球環境問題などの既に指摘されてきた諸問題を改めて見渡しつつ,現代社会のありようを今一度考える機会としたいものです。また,様々なもの/ことが欠落する中で気づかされた価値もあるでしょう。埋め合わせようとしても埋め難いものの中から真に大切なものに気づかされることもあるでしょう。こうした気づきを,これからの社会デザインの糧としたいものです。思考から導き出される実践に通ずる活動や,コロナ禍で助けを必要としているところで可能なボランティア活動や寄付活動等に取り組みながら,新たな日常を迎える日を待ち望みたいと思います。

共編著本『多文化共生のためのシティズンシップ教育実践ハンドブック』公刊

共著者の一人として加わった多文化共生のための市民性教育研究会編著『多文化共生のためのシティズンシップ教育実践ハンドブック』(明石書店,2020年)が刊行されました。拙稿としては,多文化防災をテーマにした授業案「避難所で考えよう:合意形成と多数決」や,多文化共生のためのシティズンシップ教育におけるルーブリック評価を進める指針を示した「パフォーマンス評価とルーブリック」の他,「民主主義と多数決」「メディア・リテラシーの必要性と現代的課題」と題したコラムを寄せました。ご高覧いただければ,幸いです。チラシデータはこちら

J-CEF主催「第7回シティズンシップ教育ミーティング」

<本イベントは新型コロナウイルス感染拡大に伴って中止(一部オンライン配信)となりました>

 当会が事務局をお預かりしている日本シティズンシップ教育フォーラム(J-CEF)が「第7回シティズンシップ教育ミーティング」を2020年3月21日-22日に開催いたします。
 ゲストからの発表を通じた学びに加えて、それを踏まえての参加者間での横断的な意見交換や学習交換を重視し、シティズンシップ教育のこれからのチャレンジと向き合っていく場となります。市民社会の担い手を育む学びの前進と深化を共に考えませんか。
 自由発表における報告者も募集いたします。みなさまの研究から学ぶ機会にもなればと願っています。ご参加に加えて、ご報告もご検討いただければ、幸いです。
 年度末のお忙しい時期ではございますが、奮ってのご参加を心よりお待ちしております。詳細はJ-CEFのウェブサイトをご覧ください。
http://jcef.jp/news/report/networkmeeting/20200130_1405/

新年のご挨拶「生活に『空き』をつくる」

明けましておめでとうございます。2020年の年頭に当たり,謹んで新年のご挨拶を申しあげます。

 為すべきことがない日が続けば,自分はこの世で必要とされていないのではないかという不安に襲われることでしょう。それ故に,私たちは予定に大きな「空き」が出そうになると,ついつい頼まれごとを引き受けたり,何かしらの用事を自ら掘り起こしたりしてしまうことが少なくありません。私もそのような傾向があります。
 しかし,そのようにして生活に「空き」がなくなったり,細切れになったりすれば,難解な言説/議論を理解して熟考することが億劫になることでしょう。また,多量の情報が高速度で飛び交う中で,自らの情報環境も含めて批判的に省察する時間がなければ,自分の目に入ってくるものや聞こえてくるものを粗雑に組み合わせただけのものを,知らず知らずの内に自分の考えとしてしまったりすることもあるでしょう。
 暫し世の流れに距離を置いて,共に「空き」の時間を丁寧に味わえる仲間や空間,そして自己をどのようにして創れるか。そのようなことを最近考えています。能動的に行動するだけではなく,熟考する時間をも大切にできる市民が育つ学びのデザインを2020年は探っていきたいものです。本年も多くの方々と共に歩んでいくことを願っています。ご支援/ご指導賜りますよう、宜しくお願い申しあげます。

2020年 元旦
シチズンシップ共育企画
代表 川中 大輔