新年のご挨拶「生活に『空き』をつくる」

明けましておめでとうございます。2020年の年頭に当たり,謹んで新年のご挨拶を申しあげます。

 為すべきことがない日が続けば,自分はこの世で必要とされていないのではないかという不安に襲われることでしょう。それ故に,私たちは予定に大きな「空き」が出そうになると,ついつい頼まれごとを引き受けたり,何かしらの用事を自ら掘り起こしたりしてしまうことが少なくありません。私もそのような傾向があります。
 しかし,そのようにして生活に「空き」がなくなったり,細切れになったりすれば,難解な言説/議論を理解して熟考することが億劫になることでしょう。また,多量の情報が高速度で飛び交う中で,自らの情報環境も含めて批判的に省察する時間がなければ,自分の目に入ってくるものや聞こえてくるものを粗雑に組み合わせただけのものを,知らず知らずの内に自分の考えとしてしまったりすることもあるでしょう。
 暫し世の流れに距離を置いて,共に「空き」の時間を丁寧に味わえる仲間や空間,そして自己をどのようにして創れるか。そのようなことを最近考えています。能動的に行動するだけではなく,熟考する時間をも大切にできる市民が育つ学びのデザインを2020年は探っていきたいものです。本年も多くの方々と共に歩んでいくことを願っています。ご支援/ご指導賜りますよう、宜しくお願い申しあげます。

2020年 元旦
シチズンシップ共育企画
代表 川中 大輔