新年のご挨拶「学びの場の『苦しみ』を共にする」

明けましておめでとうございます。
2022年の年頭に当たり,謹んで新年のご挨拶を申しあげます。

 知らない。分からない。できない。身につかない。こうした時,自らの力不足を痛感して,傷を負うこととなります。学びの場においては,こうしたディスエンパワメントの危険性が常に孕まれています。同時に,「だからこそ」,より深く学びたいといった積極性/能動性が引き出される可能性もあります。
 学びの場の手前側にあるバックグラウンドと,向こう側にあるビジョンとが学習者と教育者との間で丁寧に分かち持たれているのかどうか。学習者の痛苦が共感的に受けとめられているかどうか。これらが分かれ目にあるものの一つではないでしょうか。「何を/どのように学ぶのか」だけではなく,「どのような関係性のもとで学ぶのか」もまた重要なことでしょう。
 現代社会の不正義と向き合って,新しい社会をつくりだしていくための学びには,難解さ/困難さを伴うことが少なくありません。故に,共に歩む者の存在が大きいことを改めて胸に刻んでおきたいと思います。学びの場に集う者が共に支え合い,励まし合いながら,「市民としての成長/成熟」を目指していく学びのデザインを2022年も探ってまいります。

2022年 元旦
シチズンシップ共育企画
代表 川中 大輔